A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (922)
モブゲーってなに?
「それはそうと、隼人は今どの階層を探索してるんだ?」
「よく聞いてくれた。今は十四階層だ」
「十四階層ってトレントの階層か」
「ああ、焼いちゃえばいいから結構楽だよな」
「隼人は炎系の魔法は使えないだろ?」
「パーティで火炎放射器買ってるから問題なしだ」
「火炎放射器か。それは凄そうだ」
「真司は業務用のデカいのを使ってるけど、俺は家庭用のハンディタイプな」
「家庭用?」
「ああ、草焼くやつな」
家庭用の火炎放射器なんかあるのか。
初めて知ったな。
背中に背負って手元からボーッってイメージだったけど違うのか?
「高そうだな」
「なに言ってるんだよ、俺の使ってるのはネット通販で5000円だぞ?」
「5000円!?」
「そう5000円。形もほぼ槍だし使い勝手最高だぞ」
家庭用火炎放射器5000円?
そんな安いのか?
「海斗は十四階層で使わなかったのか?」
「使ってない。普通に頑張った」
「そうなのか。まあ、ガス缶の持ちだけがネックだけど十四階層は特効で苦労なしだな」
「草トレントとかマンドラゴラは大丈夫なのか?」
「草トレント? ああ、あの草のモンスターか。あれは完全無視だ.それにマンドラゴラに引っかかる奴はいないだろ」
「…………」
俺達のパーティはものの見事にマンドラゴラにハマったぞ。
「あ〜〜海斗はグループ入ってないから。グループ内じゃマンドラゴラ有名だから」
「そうなんだ」
「それに、草は相手にしなきゃ問題なしだろ。無理して相手にしなきゃいいだけだ」
俺達はシルが見つけたモンスターは基本殲滅して進んでいるので、攻略スタイルの違いか。
確かに隠れているモンスターを無視すればペースは上がる。
「じゃあ、ドリュアスは?」
「あ〜! ドリュアスな。流石に最初は思うところあったけど慣れちゃえばな。だけどあれは男子高校生には刺激が強すぎる。もうちょっとで鼻血出そうだった.モンスターっていっても精霊はいってるし、やっぱり形がいいよな」
そっち!?
いや、感じ方は人それぞれだしいいんだけど、隼人らしいな。
「真司も勉強になるって言ってたし」
真司〜お前もか! いったい何の勉強?
「この調子なら15層も近いな」
「十五層は結構大変だぞ。下級竜が相手だから」
「おおっ、ついにドラゴンか。俺もドラゴンスレイヤーか。ドラゴンスレイヤー隼人か〜。なんか主人公感MAXじゃないか?」
「主人公ね〜」
確かに言葉だけ聞けば、そんなふうに聞こえなくもないけど、隼人が主人公はない。
ドラゴンスレイヤーって探索者ならいっぱいいるし、俺も結構倒してる。
だけどスレイヤー系のスキルでもドラゴンスレイヤーは憧れる。いつかドラゴンスレイヤーのスキルが発現する事もあればいいな。
まあ、隼人が主人公ってエロゲーかモブゲーならワンチャンあるかもしれないけど。