A Nobody's Way Up to an Exploration Hero RAW novel - Chapter (928)
ターさんはワイルドだろ〜
映画の冒頭から足を挫いたターさんは、それでもジャングルに立ち向かっていた。
「うあああああああ〜なんだこりゃあああ〜」
「ご主人様……あの方、変な虫に刺されました」
「ああ……」
ターさんがジャングルで休んでいると背後から這い上がってきたムカデのボスみたいな虫に刺されてしまった。
「マスター、もしかして20階層にはこんな虫がいるのでしょうか?」
「いや……どうだろう」
「ちょっと嫌です」
「ティターニア、そんな遠慮することはないぞ。こんなの絶対嫌だ〜! 海斗わかってるんだろうな?」
シルとルシェの虫嫌いは十分に理解している。
Gの時に嫌というほどに痛感させられた。
それにティターニアもか。
女の子だし仕方がないな。
パーティメンバーはどうだろうか。
あいりさんは平気そうだけど後の二人は厳しいかもしれない。
正直、おっさんのくれたこの映画が、本当に参考になるのかはわからないけど、ジャングルだしこれはありそうな気はする。
「ご主人様、痙攣しています……」
「シル、大丈夫だ。俺達にはベルリアの『ダークキュア』がある。こうはならないから」
「マイロード、おまかせください.あの程度の状態異常なんの問題もありません」
ベルリア、痙攣してる時点でかなり問題はあると思う。
それにしてもこの映画はなんなんだろう。
特にストーリー性も感じないまま、ターさんのサバイバルの映像が続いている。
「いやあああああ〜」
今度はターさんが狩った小動物を処理していると大きな蛇が寄ってきてターさんに巻きつこうとしている。
イメージがなかったけど、ジャングルに大蛇がいるのか?
もしかしてコレをオッサンは警告したかったのか?
映像の中では、ターさんが大蛇に巻き付かれながらも、手に持っていたナイフでどうにか大蛇をしとめた。
そしてしとめた大蛇を小動物と一緒に焼いて食べてしまった。
「ご主人様、あれはあまり食べたくはありません」
「大丈夫だ。別に俺達は20階層で獲物を獲って食べるわけじゃない。心配いらないから」
「そうなのですね。安心しました」
今度はジャングルに住む別部族? の集団がターさんに襲いかかってきた。
所謂密林の木の影から複数の矢が一斉に放たれる。
映画の演出上かすり傷を負うだけで済んでいるけど、これを対モンスターに置き換えて考えてみるとかなりヤバい。
まず、ルシェの獄炎は使えない。
いや、それだけじゃない。
シルの雷撃やヒカリンの雷炎も厳しい。
俺達パーティは炎を伴う攻撃が多い。
虫にフィールド特性。つまりはジャングルとの相性は最悪に近い。