Ascendence of a Bookworm: I'll Stop at Nothing to Become a Librarian RAW novel - Chapter (143)
閑話 心臓に悪い評価会
オレはヨハン。秋に成人したばかりの15歳だ。
今日はダプラに与えられる課題の評価をもらうため、オレは親方と一緒にずっしりとした重みのある箱を持って、街の北にあるギルベルタ商会へ向かっている。
「情けない顔すんな、ヨハン」
「いや、でも、皆に協力してもらったのに、評価が低かったらどうしようかって……」
オレの仕事は客からの評価が低いことが多い。細かい質問をするため、これくらいできて当然だ、と言われてしまい、どれほど注文に忠実に仕上げても満足点は高くないのだ。
パトロンからの評価が低ければ、当然、鍛冶協会の評価も低くなる。客が満足したかどうかが一番重要なのに、オレはいつも満足点が低い。
今回、オレのパトロンになってくれたマイン様は、まだ幼い女の子だ。洗礼式を終えたマイン工房の工房長だと言っていたが、とても洗礼式を終えているようには見えないくらい小さい。
そして、見た目は幼いが、マイン様の言動は幼い子供のものではない。注文時の質問に対する答えや渡される設計図、必要な物に対するお金の掛け方は、とても子供のものとは思えないのだ。
オレがギルベルタ商会のお嬢さんだと勘違いしてしまうくらい、ギルベルタ商会の旦那様とは仲が良い。一体どういう関係か、と首を捻っていたが、マイン様が注文してきた奇抜な品物の数々を思い出して、納得した。やり手商人のベンノさんにとっては、金を生みだす貴重な人材なのだろう、と。
その貴重な人材が一体何を求めて、この課題を注文したのか、オレは知らない。工房の職人達も何に使うのか、と首を傾げていた。
「ようこそ」
「よぉ、マルク。ベンノのところへ案内してくれ」
緊張しながら店に着くと、以前にも通された奥の部屋に通され、お茶を出される。店に利益をもたらす上客が商談するための部屋だ。ゆったりとした広さに豪華なカーペットやタペストリーが広げられていて、オレなんかが普段は入ることができない部屋に気後れする。
「ベンノ、嬢ちゃんはまだか?」
店の旦那様であるベンノさんと親方は気安い仲のようで、ガチガチに緊張してカップに手も出せないオレと違って、オレの隣に座る親方は緊張感の欠片もなくお茶を飲んでいる。
親方の右隣に座るベンノさんはカップを手に取りながら、ちらりと空いている椅子を見遣った。
「あぁ、馬車は回してある。そのうち来るさ」
「馬車ぁ? どこのお嬢様だよ?」
親方の素っ頓狂な声に、オレはこっそりと胸を撫で下ろした。マイン様はギルベルタ商会のお嬢様ではないようだが、富豪のお嬢様であることは違いないようだ。
「旦那様、マイン様が到着されました」
マルクと呼ばれていた店の従業員が扉を開け、恭しい態度で入室を促した。すると、マルクの後ろから三人の従者を連れた幼い女の子が楚々とした歩き方で入ってくる。
「お待たせいたしました」
まるで貴族のお嬢様のようにひらひらとした袖口の長い、色鮮やかで温かそうな服を着たマイン様だった。ギルベルタ商会の見習い服を着ていた時とは全く違う、パトロン依頼のためにギルベルタ商会に来た時とは別人のような立ち居振る舞いに驚いて、目を見開く。
本当に同一人物かと疑わしくなって、ポカーンとしたままで自分の正面にマイン様が座るのを見ていると、マイン様の後ろに立った護衛のような、武器を帯びた従者にぎろりと睨まれた。
……怖っ!
挨拶を終えて、オレは足元に置いてあった金属活字の箱を取り出した。緊張に腕が震えて、箱の中の金属活字が揺れて、カチャカチャと尖った音を立てる。
これは粗相になるか、とびくびくしながら、マイン様の様子を伺うと、マイン様はうっとりとした表情で箱を見つめていた。
日に当たることがないような真っ白な肌をしているのに、頬だけが上気して色付き、まるで月のような金色の瞳が星を浮かべたように輝きを増して揺れる。
「予想以上に早くて驚きました。まさかこんなに早くできるなんて……」
胸元を押さえて、軽く息を吐く仕草は、まるで恋する乙女のようで、幼い子供とは思えない色気を感じさせる。
マイン様に目を奪われていたことに気付いて、オレは慌てて頭を振った。自分が作る物にここまで期待を寄せられたことはないから、嬉しかっただけだ。
「……皆が面白がって手伝ってくれたんだ」
オレがマイン様から目を逸らしながらそう言うと、親方が横からバンバンと肩を叩いて、工房での様子を語り始めた。何だか言いたい放題だけれど、鍛冶の神 ヴァルカニフトのお導きだ、って言葉だけは、オレも実感している。
マイン様に出会えなければ、オレは課題に取り組むことさえできなかったのだから。
「ヨハン、見せてやれ」
「はい、親方」
自信たっぷりの親方に促され、オレは布を取り去って、注文されていた金属活字をマイン様に見せた。
「わぁ……」
マイン様は感極まったように、月のような金色の目を潤ませ、おずおずと一本の金属活字を手に取った。大事な宝物を見るように、小さな手の中で転がして、色々な角度から見つめる。
……この分なら満足してもらえるか。
安堵の息をこっそりと吐いた瞬間、うっとりと潤んでいたマイン様の目がすっと冷静で厳しいものに変わった。
もう一つの金属活字を箱から取り出して、テーブルの上に並べたかと思うと、水平になる位置に顔を動かした。そして、目を細めて、活字の太さや高さの違いを検分し始める。
……大丈夫だよな?
オレは今までこのような厳しい目で、注文した通りの細かさが実現できているのか、客からじっくりと確認されたことはなかった。
胸の辺りを鷲掴みにされたような緊張で、じわりとした嫌な汗が浮かぶ。
「どうだ、嬢ちゃん? ご希望通りの品かい?」
親方の言葉にオレの心臓がビクッと跳ねた。満足されたのか、否か。手に汗を握りながら、オレはじっとマイン様の言葉を待った。
マイン様が小さな手に二本の金属活字を握りしめ、くっと顔を上げる。
「素晴らしいです! まさにグーテンベルク!」
「は?」
瞳をキラキラに輝かせ、興奮したような声を出しているマイン様の様子から、褒められているのはわかったけれど、何を言っているのかわからない。
「わたくし、ヨハンにグーテンベルクの称号を捧げます!」
意味がわからなくて、オレは馬鹿みたいに口を開けたまま、マイン様を見る。儚げなお嬢様の雰囲気が一瞬で消し飛んだ。
……ぐーてんべるくのしょうごう、って何だ?
ルッツというギルベルタ商会の見習いが何とか落ち着かせようと動いたが、マイン様の興奮は止まらなかった。むしろ、ルッツが抑えようとするとひどくなっていく感じだ。
今までの淑やかなお嬢様らしい言動はもうどこにもない。ガタッと立ち上がったマイン様は興奮した面持ちで、早口でまくしたてる。
「だって、印刷時代の幕開けだよ!? 皆、まさに歴史が変わる瞬間に立ち会ってるんだよ!? グーテンベルクだよ!? グーテンベルクの名前もヨハネスで、ヨハンなんだよ。何て素敵な偶然! 奇跡的な出会い! 神に祈りを!」
もう最初から最後までマイン様が何を言っているのか理解できない。
ルッツが落ち着かせようとするが、全く意味がないようで、神殿で成人式の時にやらされた神への祈りを捧げ始めた。
周囲を見回せば、ベンノさんはこめかみを押さえて、溜息を吐いているし、従者のうちの二人は困ったような笑みを浮かべて顔を見合わせている。ただ一人、護衛の従者だけは、主の狂態を初めて見たように固まっていた。
「……あ~、嬢ちゃん。グーテンベルクって何だ?」
やっぱり状況についていけていないようで、親方の声にもいつものような力がない。
しかし、マイン様だけは元気いっぱい絶好調だ。目を爛々とさせて、胸の前で指を組んで熱弁を振るう。
「本の歴史を一変させるという、神にも等しい業績を残した偉人です。ヨハンはこの街のグーテンベルク!」
なんか、ものすごく重い称号を与えられた気がする。できれば、辞退したいと失礼な事を考えていると、マイン様が何やら少し反省したような殊勝な態度で、何故かグーテンベルクを増やした。
「すみません。全員まとめてグーテンベルクです。皆グーテンベルク仲間ですよ」
「そんな仲間、俺は嫌だぞ」
嫌だと言っても、ベンノさんは仲間だ。マイン様の保証人である以上、一人だけ抜けさせるわけにはいかない。それに、どちらかというと、そんな重そうな称号は一職人のオレより、大店の旦那様にこそ相応しい。
「金属活字ができたら、次はいよいよ印刷機ですよ! 木工工房に注文ですよ。うわぁ、本当に印刷ができるんだ! すごい、すごい!」
顔を見合わせるベンノさんとルッツの表情から「どうするんだよ、これ」「どうしようもない」という無言の会話が聞こえてくる気がした。
……この収拾のつかない空気を何とかしてほしい。
オレがマイン様の後ろに立つ従者に視線を向けるのと、マイン様がまた神に祈るのはほぼ同時だった。
「英知の女神 メスティオノーラに感謝を!」
次の瞬間、マイン様は幸せな笑みを浮かべたまま、バタッと倒れた。そのままピクリとも動かず、部屋の中にシンとした沈黙が満ちる。
「……うわっ!? マイン様!?」
「おいっ!? 嬢ちゃん」
「な、何事かっ!?」
ぎょっとして思わず立ち上がったのは、オレと親方と護衛従者の三人だけだった。
慌てて跪き、マイン様の様子を見る護衛従者に、おろおろするオレと親方以外の面子が揃って溜息を吐いた。
「とうとう倒れたか。これで静かになったな」
椅子に座ったままで全く動じていないように見えるベンノさんの言葉にオレは思わず目を見開いたが、マイン様を落ち着かせようとしていたルッツも、マイン様の従者も全く動じていないようだった。
「フラン、マインはあの長椅子に寝かせておけばいい。どうせ帰りも馬車だから」
「恐れ入ります。ダームエル様、失礼いたします」
フランと呼ばれた従者はくたりとしたマイン様を抱き上げて、何故か暖炉の近くに置かれていた長椅子に運んでいく。そして、そっと寝かせ、ぶ厚くて温かそうな外套を上から掛けた。
こうなると予測済みだったような手際の良さに目を瞬いていると、ベンノさんはトントンと指先でテーブルを軽く叩いた。
「では、評価を始めるか。マインは意識を失ったので、代わりに俺が保証人として評価を下す。いいか?」
「え?……マイン様はあのままでいいのですか?」
さすがにいきなり意識を失った幼い子供をこのまま放置して、呑気に課題の評価などしていてよいのか、とオレはマイン様の眠る長椅子に視線を向ける。
「どうなんだ、ルッツ?」
「多分、日が暮れる頃には目を覚ますと思います。興奮しすぎで熱は出すだろうけど、本人が落ち着けなかったんだから、仕方ないですよ」
肩を竦めて、仕方ない、と言い切る辺り、ルッツはマイン様の相手をすることに相当慣れている。
「今回は何日くらいでしょう?」
「……興奮具合がどのくらい続くかで、変わるな。読めねぇ」
フランとルッツの話しぶりから、マイン様が倒れるのは珍しいことではないとわかった。わかったけれど、心臓に悪い。こっちの心臓が止まるかと思った。
「とりあえず、パトロンは失神するほど喜んだってことで、評価すればいいだろう」
「まぁ、興奮ぶりは明らかだったからな。保証人のベンノの代筆で問題はないな。……これを一体何に使うのか、聞きたかったんだがな」
親方が金属活字を見ながらそう言うと、マイン様の従者の少年が手に持っていた荷物をさっと取り出した。
「オレが実演する。マイン様に言われて、準備していたんだ」
「ギル、何をするんだ?」
「インク塗って印刷に決まってるだろ。へっへー」
どこかうきうきとした様子でギルは荷物の中から、手慣れた様子で道具を取り出した。
マイン様に注文されて、以前オレが作ったローラーが真っ黒になっている。ギルはそのローラーにインクをつけていく。
「マイン様が言うには、この金属活字を並べて、まず文章にするんだってさ。それができたら、こうやってインクを塗る」
止める間もなく、ギルが金属活字の上にローラーを走らせた。銀色に光っていた金属活字に黒いインクがべったりとつく。
「うわぁっ!」
パトロンであるマイン様の許可もないままに汚された金属活字を見て、思わず叫んだ。しかし、何てことを、と息を呑むオレには目もくれず、ギルはその上にそっと紙を乗せた。
「本当は圧搾機みたいな機械で、ぎゅっと押して、インクをつけるらしいんだけど、今回はどんな風に金属活字を使うか見せるだけだから、この馬連ってヤツで上から擦るな」
得意そうにそう説明しながら、ギルは円い平べったいもので、紙の上からシュシュッと力を入れて、擦っていく。
真っ青になっているのはオレ一人で、他の皆は興味深そうにギルの手元を覗きこんでいた。
「こうやってインクをつけたら、剥がして、乾燥させるんだ」
ギルの手でペロンと剥がされた紙には、くっきりと黒のインクで字がずらりと並んでいた。ギルは同じ手順で、もう一枚の全く同じ字が並んだ紙を作る。
そして、へへっ、と笑いながら、ギルは左右の手に紙を持って、ぴろんと広げた。
……だから、何だよ? これで結局何になるんだよ? 紙の無駄遣いだよ。もったいねぇ。
紙を見てそう思ったのはオレだけだったようだ。ベンノさんも親方も護衛従者も一瞬で顔色を変えて、厳しい表情になった。
ダームエルという護衛従者がギルの手から紙を取って、険しい目で二つを見比べる。
「これだけの短時間で1ページが仕上がるのか。考えられないな」
そして、親方はインクがついていない方の金属活字をいくつか取り出して、手の平で並べ替えて、唸る。
「……金属活字は一文字ずつだから、文章を組むのは容易ってことか」
「マインは一字ずつ版紙を切っていくより、ずっと速くなるって言っていました」
ルッツの言葉に全員が更に眉を寄せる。
「これは、本当にマインの言う通り、歴史が変わるぞ」
印刷という技術自体は知っていたが、ここまで簡単に文字が組めるようになるとは思わなかった、とベンノさんが軽く息を吐いた。
「何てものを作りだすんだ、あの阿呆……」
ベンノさんの言葉は全員の心情を表したものだったのか、長椅子の上で意識を失ったままのマイン様へ一斉に視線が注がれる。
皆はわかっているようだが、オレには何がどうなっているのか、さっぱりわからない。ただ、マイン様をパトロンとしたことで、自分ではどうしようもない流れへと押し流されていくような気がした。
「これから印刷機を作るとマインが言っていたから、まだしばらくは動かんだろう」
少しばかり楽観的な声でそう言ったベンノの言葉に、親方は難しい顔で首を振った。
「木工工房に注文すると言っていたから、どういうのを作るかの構想はあるはずだ。ヨハンに持ってくるような詳細な設計図が引けるなら、印刷機ができるのはそれほど先のことじゃねぇぞ」
マイン様の持ちこむ設計図はとても細かい。オレの細かさに対応しているのか、どんどん細かくなっているくらいだ。あれだけきっちりとした設計図を準備されれば、職人ならばすぐに作れるだろう。
「いや、印刷機が動くようになっても、すぐに影響が大きくなることはない。植物紙の工房もまだこの街にしかないし、インクも植物紙専用のインクを工房で作ってもらう契約をやっと結んだばかりだからな。材料が圧倒的に足りん。……まぁ、時間の問題だがな」
ベンノさんはそう言って、ガシガシと頭を掻いた。そして、ギラリとした目でオレを見据える。穏やかだった今までとは違う、凶暴な雰囲気にオレは、ひぃっ、と息を呑んだ。
「ヨハン、お前はグーテンベルクだ。直々に称号を与えられたんだ。マインから逃げられると思うなよ」
ベンノさんに凄まれて、オレは何も考えられずに、ただ何度も首を振って頷いた。
怖い。何でも作るから許してほしい。そんなオレの心境が伝わったのか、ベンノさんは満足そうに頷いた。
「それなら、よし」
「では、ヨハン。こちらをどうぞ。マイン様からです」
そこにフランが穏やかに笑いながら、半分に折られた数枚の紙を差し出してくる。
首を傾げながら、オレがカサリと紙を開くと、それは詳細な設計図の載った注文書だった。
「はぁっ!?」
そこには、今まで作った文字ではなく、空白や記号の金属活字について、びっしりと設計図が書き込まれていた。まさか金属活字に続きがあると思っていなかったオレは、紙を震える手で握りしめる。
「何だ、これ?」
「ヨハンが注文通りの物を作ってくれたら追加注文するのだ、とマイン様は張り切っておられました。記号を作り終わった後は、大きさの違う金属活字を注文されるそうです」
頑張ってください、と激励されたが、全く嬉しくない。厄介なものを押し付けるような嫌な笑顔にしか見えない。
「お前、とんでもないパトロンを引き当てたな」
ポンと肩に置かれた親方の手がものすごく重い。オレが親方の方を振り向くと、親方の目は面白がるような光に満ちていた。
「がむしゃらに注文をこなせば、間違いなく歴史に名を残すぞ、グーテンベルク」
「親方、頼むからその称号で呼ばないでくれよ!」
このままでは工房でもからかわれて、すぐに定着してしまうに違いない。嫌だ、と頭を抱えるオレを見て、ルッツが軽く肩を竦めた。
「マインに見込まれたのが運のつきだ。諦めろ、グーテンベルク」
「最初に称号を与えられたのはお前だ。ヨハン、お前がグーテンベルクだ」
真面目そうな顔でベンノさんがさらりと恐ろしいことを言う。ここで反論しなければ、ヤツらに逃げられる。大事な道連れ……いや、仲間を逃がしてたまるか。本能的にそう察して、オレは口を開いた。
「ルッツもベンノさんもグーテンベルク仲間だよな? マイン様はそう言っていたじゃないか!」
チッと舌打ちされて睨まれたが、オレは一人でこんな称号を背負うつもりはさらさらない。
「だったら、年齢と地位を考えても、グーテンベルク代表はベンノさんだよな?」
「残念だったな。ヨハン、早い者負けだ」
「何だ、それ!?」
結局、その場では誰がグーテンベルク代表なのか決着は付かなかった。
後日、マイン様にそれとなくグーテンベルク代表にベンノさんを推薦した結果、「大丈夫。皆グーテンベルク仲間だよ。優劣なんてないからね」という斜め上の回答をもらった。
……違う! そんな回答は望んでなかったんだ。
英知の女神 メスティオノーラの使者として、印刷技術を発明し、大量の本を世の中に送り出すことに生涯を費やすことになるグーテンベルクという集団がエーレンフェストの街に誕生したのはこの時だった、と後世の歴史家は語った。