Ascendence of a Bookworm: I'll Stop at Nothing to Become a Librarian RAW novel - Chapter (246)
神官長の還俗と衣装のお披露目
神殿に戻ってから、城での販売日に向けて印刷物を揃えたり、時間や場所について調整したり、ブリギッテの衣装の仕上がりを見たり、ハッセの様子を見に行ったり、めまぐるしい日々を過ごしていた。
そして、星結びの儀式を目前に、神殿では神官長の還俗の儀式が内々に行われ、星結びの儀式の終了後にはまた神官長として戻ってくることが伝えられた。
ほんの数日のことだが、神官長室は閉め切られ、誰も入れない状態にされるのだ。還俗した以上神官長は神殿にいられないので、貴族街に戻ることになる。
「カンフェル、フリターク。其方達がしっかりと星結びの儀式を進めるように」
「かしこまりました」
「ローゼマイン、私が不在でも神殿長として儀式をこなすように。……去年と同じなので、特に問題はないだろうが、油断は禁物だ。よいな?」
「はい」
ものすごく不安そうに注意事項の数々を述べて、神官長は貴族街へと戻っていった。今年の星結びの儀式は神官長抜きで行わなければならない。
代理を任されたカンフェルとフリタークは今から緊張しているのがわかる。
「神々のお話は聖典をそのまま読んでも大丈夫ですから、それほど緊張しなくても良いですよ?」
「いいえ、神殿長。神々の話をすることではなく、エグモント様を初めとする青色神官達が我々の言う通りに動いてくれないのではないかということが心配なのです」
前神殿長の腰巾着だったエグモント達は、神殿にいる青色神官の中では比較的身分が上だ。少なくとも、カンフェルやフリタークよりは上になる。権力を笠に着られると、二人では対応が難しい。
「そういう時はわたくしに知らせてくださいませ。神殿長として対応いたしますから」
「まだ幼い神殿長にお願いするのは心苦しいのですが、その時はお願いいたします」
二人にわたしはニコリを微笑んで、請け負った。権力を笠に着て、言うことを聞かない青色神官は権力でやり返せばいい。それでも聞かなければ、軽く魔力で威圧すれば終了だ。大した手間ではない。
「今日は星結びの儀式ですけれど、下町では星祭りと言うのですよね? フーゴから聞きました」
衣装の着付けをするニコラの言葉にわたしは頷く。
「そろそろ孤児院の子供達は出発した頃かしら? 今年はギュンターが同行してくれるそうです」
今日、ルッツは孤児達に同行できないと言っていた。できたばかりのプランタン商会が地域で認められるように、星祭りには力を入れなければならないらしい。
そして、数いるダルアや彼らが元いた店の者との交流をするようにベンノから言われているそうだ。商人の世界も大変である。
「フーゴは恋人と別れたため、今年もやはり星祭りに主役として参加することができなかったそうです。エラが教えてくれました。でも、フーゴは星祭りが終わったら貴族街への移動があり、城でも助っ人として厨房で働くことが決定していて大忙しなので、星祭りに参加できなかったことは全く悔しくないそうですよ」
ものすごく悔しそうな顔でそう言っていた、とニコラが笑いながら教えてくれた。昼食を終えるとすぐに貴族街へ出発なので、専属料理人の二人も今日は大忙しだ。
「ニコラは夕飯の支度をお願いね」
「任せてくださいませ。私も上達したのですよ」
午前中は神殿で儀式を行い、午後には城へと移動して、また儀式だ。
今年は儀式だけではなく、ブリギッテの衣装のデザインをしていて、その披露もするのでかなり多忙である。
「今頃、ブリギッテも大変でしょう」
専属も同乗させて、城へとレッサーバスで移動する途中、ダームエルはそう言った。今日、助手席に座っているのはダームエルだ。
ブリギッテは本日のお仕事は休みで、朝から全身を磨かれて、お披露目のための準備をすることになっている。本来ならば騎士寮で着付けをするのだが、わたしがプロデュースする衣装を身にまとって出るため、本館の一室を使うのだ。
「神殿でお勤めのあるローゼマイン様の代わりに、ブリギッテにはエルヴィーラ様が付いているのですから、とても緊張しているのではないでしょうか。私の立場に置き換えるならば、騎士団長が付いているようなものですよ」
助手席のダームエルはまるで自分のことのように心配し、胃の辺りを押さえていた。
そんなダームエルも星結びの儀式に参加しなければならないので、城に到着すると同時に騎士寮へと向かう。
城に着いた後のわたしの護衛騎士は、コルネリウス兄様とアンゲリカの二人だ。
「まずはローゼマイン様の御仕度ですね」
「去年と違って、城の流行を取り入れた髪型をロジーナがモニカやニコラに指導していたので、支度はほとんど必要ないと思うのですけれど、リヒャルダがどう判断するかしら?」
リヒャルダは厳しい瞳で神殿長姿のわたしを上から下、右から左、前後ろ、とあらゆる角度から見回して、少し腰元のひだを直した後、一つ頷いた。
「姫様の御仕度はこれでよろしいでしょう。では、ブリギッテが使っているお部屋へご案内いたします」
リヒャルダの先導で、わたしが部屋に着いた時にはコリンナ他、数名の針子がブリギッテの周囲を色々と動き回っており、その様子をお母様がじっと見ていた。
「お母様、わたくしのお願いを聞いてくださってありがとう存じます。今日はブリギッテをよろしくお願いいたします」
「えぇ、新しい衣装のお披露目に関してはわたくしに任せて、ローゼマインは神殿長のお勤めを
恙
なく終えるようになさい」
今回の星結びの儀式では、お母様がブリギッテに付いて、衣装のお披露目をしてくれることになっている。わたしは神殿長としての役目があるし、子供なので、祝福を終えるとすぐに撤収しなければならないからだ。
お母様の派閥で仮縫いのお披露目をして好評を得ているので、お母様は喜んで請け負ってくれた。付け加えるならば、今年もエックハルト兄様とランプレヒト兄様が相手を探す気がないので、お母様としてはやることがなくて、不満だったらしい。
お母様の興味を引きつけてくれて助かる、とお兄様方には感謝された。
「とても似合うわ、ブリギッテ」
「恐れ入ります、ローゼマイン様」
ピタリと体に沿って、胸から腰までのラインを綺麗に見せるアメリカンスリーブのドレスだ。淡いエメラルドグリーンのドレスが、ブリギッテの暗い色合いの赤い髪を引き立てて見せている。
たくさんのひだでボリュームの増える腰の辺りに飾り付けられた花の飾りは髪の色にも似た赤。そして、髪に飾る花は真っ白でドレスと同じ色合いの葉っぱが揺れるようになっている。わたしが後援しているのが一目でわかるように、髪飾りはわたしの簪の飾りとお揃いである。
「衣装だけでも十分に注目を集めるでしょうけれど、考案したのがローゼマインですもの。出世欲の強い殿方も近付いて来ると思いますよ」
気を付けなさい、とお母様が忠告すると、ブリギッテは諦めの混じった淡い微笑みを浮かべた。
「わたくしは一度婚約を破棄された女です。次の縁談が見つかるとは考えておりませんでした。ですから、ローゼマイン様の考えてくださった衣装で、イルクナーにとって良い殿方が見つかれば、それ以上のことは望んでおりません」
……わたしは、イルクナーよりもブリギッテにとって良い殿方が見つかってほしいんだけど。
貴族間の婚約破棄がどのような影響を与えるのか、まだよくわかっていないわたしには、ブリギッテにかけられる言葉などない。
「では、そろそろ大広間に参りましょう。ローゼマインは一度部屋に戻りなさい」
準備のできたブリギッテと連れだって、お母様が部屋を出て行く。「壇上から見ていますね」とブリギッテに声をかけると、ブリギッテは少し恥ずかしそうに笑った。
パタリとドアが閉まると、片付けをしているコリンナにも声をかける。
「今日までお疲れ様でした、コリンナ。貴女達の努力でブリギッテはとても美しく仕上がりました。新しい衣装は間違いなく今夜の注目の的になると思います。ギルベルタ商会の名前も同時に広がることになるでしょう」
「ローゼマイン様のお引き立てに心より感謝いたします」
コリンナが跪き、それに習って他の針子達も跪く。
「では、わたくしも予定があるので、先に失礼いたします。オティーリエ、後はよろしくね」
「かしこまりました、ローゼマイン様」
去年と違って、本館で騎獣を使えるわたしはリヒャルダに急かされることなく、予定通りの時間に大広間へとたどり着いた。
騎獣を片付けて、リヒャルダに衣装の乱れがないか確認してもらい、大広間に入場する。
「神殿長が到着いたしました」
体育館のように天井が高くて広い大広間の真ん中には金の縁取りがある黒のカーペットが敷かれている。
わたしは去年と同じように注目を集めながら、真っ直ぐに壇上を目指す。歩みが遅いのは相変わらずだ。
「こちらだ、ローゼマイン」
壇上にはすでに養父様と養母様とお父様がいた。わたしが去年と同じように養父様の隣の椅子に座ると、コルネリウス兄様とアンゲリカがわたしの後ろに並び立つ。
「それにしても、ずいぶんと思い切った衣装を作ったな。去年の女騎士と同一人物とは思えんぞ」
養父様が広間の一角で色々な人に取り囲まれているブリギッテを見下ろしながら、感心したような声を出した。
ブリギッテは殿方だけではなく、新しい衣装に興味がある女性に取り囲まれているように見える。
「うふふん、わたくしの護衛騎士は美しいでしょう?」
「あぁ、あれならば、言い寄る男もいよう」
去年は酷評を述べていた養父様が何の批判もなく、頷いた。ブリギッテの豊満な曲線に目が釘付けになっている気がするけれど、指摘するのは止めておいてあげよう。下手なことを言って、これ以上養母様の中の養父様の株を下げるのはまずい気がする。
「だが、あれでは其方の後ろ盾を持っていると全身で宣伝しているようなものだ。出世欲に駆られた男が群がるぞ。気を付けるように言っておけ」
「お母様がすでに注意されていました。でも、群がる男の中からイルクナーにとってよい縁談が見つかれば良いのですって。一度婚約破棄されているので、ブリギッテは良縁を諦めている節があるのです。今回で良いお相手が見つかると良いのですけれど」
わたしが少しばかり唇を尖らせると、養父様は軽く眉を上げた。
「ふむ。何がしかの縁はあるだろうが、良縁と言えるかどうかはギーベ・イルクナーの手腕にもよるな。また外れを引かねば良いのだが」
「そこまではわたくしも責任持てませんね。ギーベ・イルクナーとブリギッテにとって良い選択をすればよいのです」
わたしはイルクナーという土地でどのような人物が求められているのかさえ知らないのだ。ブリギッテにとってどれが良縁になるのかはわからない。
「わたくしはブリギッテが美人で可愛いことが知られれば、それで満足です。ついでに、女性が流行の型を追うだけではなく、自分に似合う衣装を身にまとうことが当たり前になれば良いと思っております」
「其方は流行を作る以上のことを考えていたのか……」
養父様は驚いたように目を見張ったけれど、そんな大層なことは考えていない。ただ、皆が似合う物を自由に着ればいいのに、と思っただけだ。
突如、談笑しているざわめきの中で、複数のご令嬢の黄色い悲鳴が上がった。何事かと思って視線を向けると、神官長が入場してきたのが見えた。
神官長の姿を視界に納めようと群がるご令嬢だが、決して神官長の行く手を阻むようなことはしない。まるで、予め取り決めでもあるかのように、真ん中に敷かれている金の縁取りがある黒のカーペットには踏み込まないのだ。
「来たか、フェルディナンド」
誰にも邪魔されることなく神官長が壇上に上がってきて、養父様とは反対側のわたしの隣に腰を下ろした。
その後ろには嬉しそうな表情を隠しきれていないエックハルト兄様が並び立つ。護衛騎士の仕事ができるのが、新しい嫁を探すよりよほど嬉しいようだ。
「嬉しそうですね、エックハルト兄様」
「うむ。またこうしてフェルディナンド様にお仕えできる日が来るとは思っていなかったからな。ユストクスも喜んでいた」
「あぁ、できる限り神殿に顔を出したいと言っていたな。興味を向ける視線が私を通り過ぎているような気がしたぞ、ローゼマイン」
意味ありげに神官長がわたしへと視線を向ける。
「……もしかして、わたくし目当てですか?」
「肯定してしまうと、ユストクスが幼女趣味のようでどうにも人聞きが悪いが、情報収集の趣味の上で、興味の対象ではあることは間違いないな」
人聞きが悪いと言いながら、肯定されてしまった。ユストクスにとって、わたしの周囲は思いもよらぬものがたくさんあるのだそうだ。
「失言がないように気を付けなさい」
「はい。そういえば、還俗すれば結婚もできるのですよね? フェルディナンド様はお相手探しをしなくても良いのですか?」
壇上に座っていないで、ご令嬢の一人にでも声をかけてきた方がよいのではないか。わたしがそう尋ねると、神官長は肩を竦めて首を振った。
「無駄だ」
「はい?」
「魔力が釣り合う女性がいない」
キッパリと言い切られてしまって、わたしは目を丸くした。魔力に差があると、結婚相手にはならないということは知っている。けれど、大広間にいる適齢期のご令嬢全員が対象外だと言うのだろうか。
「えーと……お一人もいらっしゃらないのですか?」
「婚姻可能なエーレンフェストの女性と範囲を決めるならば、な」
「あれ? でも、お付き合いしてきた女性はいらっしゃるのですよね? 長続きしなかったとお母様から聞いたことがあるような……」
お母様が握っているフェルディナンド様情報に間違いがあるとは思えない。情報源の大半が神官長の側にいるエックハルト兄様なのだから。
わたしがちらりとエックハルト兄様に視線を向けると、神官長は情報源を嗅ぎ取ったようで、呆れたような溜息を吐いた。
「其方等は何を話しているのだ、まったく。……貴族院にいた頃の話だ。共に学んでいた領主候補生の中には釣り合う女性もいた」
エーレンフェストにおいても、人妻ならば魔力の釣り合う女性がいないわけではない、と神官長は肩を竦めた。
……魔力云々から考えると、その人妻って養母様じゃないですか?
「釣り合う女性がいないというのは、困りものですね」
あらまぁ、とわたしが完全に他人事として話をしていると、お父様がむむっと眉を寄せた。
「ならば、フェルディナンドがローゼマインを
娶
ればよいのではないか? ローゼマインが成長すれば魔力も釣り合うだろう?」
想定外のところからとんでもない爆弾発言をされて、神官長とわたしは揃って目を剥いた。
「この問題児の面倒を一生見ろと? どういう嫌がらせだ、カルステッド?」
「そうですよ。こんなお小言、ずっと聞かされるなんて嫌がらせ以外何物でもありません。フェルディナンド様の有能さをご存知のお父様は、フェルディナンド様と結婚したいと思うのですか?」
「ほぅほぅ、息はピッタリだな」
ニヤニヤと嫌な感じの笑みを浮かべる養父様に、頬が引きつるのを止められない。面白がって面倒事を引き起こそうとする時の顔だ。
「養父様……」
変なことを考えるのは止めてくださいね、と言おうとしたところを神官長に止められた。面白がらせるだけだ、と神官長は軽く首を振りながら、わたしの肩に手を置いて、真剣な眼差しでわたしを見つめる。
「ローゼマイン、貴族院に行っている間が、一番相手が豊富だ。その間に自分にとって最良の相手を探せ。この際、エーレンフェストから出ても良い。私が許可する。本性を隠して、真剣に相手を探すのだ。良いな?」
「わかりました。けれど、わたくしと同じ努力をフェルディナンド様もしてくださいね。年齢から考えてもフェルディナンド様が先ですよ」
コクリとわたしが頷くと、養父様が慌てたように止めてきた。
「ちょっと待て。勝手に領地の一大事を決めるな。フェルディナンドにそのような許可を出す権限はないぞ」
「何を言っている、ジルヴェスター。私はローゼマインの後見人になるのだぞ?」
「あら、養父様。後見人は親同然なのでしょう?」
そんな話をしながら、今年も頑張ってダームエルを探してみたが、やはり見つからない。今年こそは可愛い彼女が見つかったのだろうか。それとも、ブリギッテに見惚れているのだろうか。
7の鐘が鳴り響くと同時に、すっとジルヴェスターが立ち上がり、マントを翻しながら一歩前に出る。
「これより星結びの儀式を始める。新郎新婦はこれへ!」
ずらりと新郎新婦が並び、養父様のお話が始まった。その後は契約書に一組ずつサインをしていくのだ。
全ての契約が終われば、わたしが祝福を与える。
「高く亭亭たる大空を司る、最高神は闇と光の夫婦神よ 我の祈りを聞き届け 新しき夫婦の誕生に 御身が祝福を与え給え 御身に捧ぐは彼らの想い 祈りと感謝を捧げて 聖なる御加護を賜わらん」
指輪に魔力を込めながら最高神の夫婦神の祝福を祈っていると、指輪から金の光と黒の光が渦巻き、天井付近へと飛び出していった。そして、金と黒が捻じれあい、重なり合い、弾ける。
全てが小さな光の粒となって、飛び散って、新郎新婦に降り注ぎ、歓声が上がった。
……ふぅ、お仕事完了。
この後で神官長の還俗についての発表があるらしいけれど、わたしは祝福を与えたらすぐさま退場だ。
この後で起こったことに関しては、明日の午後に予定されているお母様とのお茶会で話を聞くしかない。
「お母様、ブリギッテの衣装は好評でしたか?」
わたしは自分が先に一口お茶とお菓子を口にして、お母様にも勧めながら、昨夜の様子を問いかけた。
お母様はお茶を飲んだ後、うっとりと陶酔したような表情で、ほぅ、と息を吐く。
「昨夜のブリギッテは、それはもぅ、素敵でしたわ」
うっとりとした顔でお母様が語り始めたのは、新しい衣装の評価ではなく、ブリギッテを中心とした恋物語だ。
去年までは似合わない衣装に身を包んでいたブリギッテが、今年は全ての注目を集める程に美しく、新しい衣装を身にまとった。衣装を考案したのは領主の養女だ。
強大な後ろ盾を得たブリギッテの魅力に目が釘付けになった数多の殿方の中、笑顔で近付いてきたのは元婚約者。
もう一度、婚約しても良い。それが君の評判を一番傷つけない、と抜け抜けと言い放ち、手を差し出した。
二人の間に割って入ったのはダームエルと数人の騎士仲間。
元婚約者からブリギッテの名誉を守ろうとダームエルが奮闘したそうだ。
「そして、彼はブリギッテの前に跪き、求婚するにふさわしいだけの魔力を身に付けるから、あと一年待ってほしい……そう言ったのです。まるで騎士物語が目の前で演じられているようで、横で見ていたわたくしまで胸が高鳴りましたもの。あのような求愛をされてみたいものですわ」
……何それ!? わたしも見たかった!