Ascendence of a Bookworm: I'll Stop at Nothing to Become a Librarian RAW novel - Chapter (585)
メスティオノーラの書
じじさまに受け入れろと言われたので、わたしはなるべく体の力を抜いて流れ込んでくる知識をできるだけ多く受け入れようと自分なりに努力する。心の中では「わたしが欲しいのは本であって、こんな頭に流し込まれる知識じゃないよ!」という怒りを覚えているけれど、ないならば作れば良いのだ。
……いつかこの知識を全部印刷してやるんだっ! どんな知識もどんと来い!
気分的には受け入れ態勢万全で空から光と共に降り注いでくる知識を受け止める。聖典に載っている神事に関する知識とダンケルフェルガーから借りた本に載っていた神々のこぼれ話が入り混じって同時に流れ込んでくる。
……ちょっと待って。分類! 分類して! リーベスクヒルフェの悪戯話とフリュートレーネの恋愛話と神事のお祈り言葉を混ぜないで! それから、今わかった。じじさまはエアヴェルミーン。建国の頃と姿が変わってない。マジ若作り。
重要な知識もあるけれど、だーっと流れ込んでくるのは雑多な情報の方が多い。正直なところ、ごちゃごちゃしていて、系統立てた知識ではないように思える。
……あぁぁ! 写本が必要というか、ツェントとしての業務に必要不可欠な知識だけを石板や聖典として別に書き出しておきたい気持ちがわかるよ。こんな雑多な知識、検索機能がなかったら絶対に役に立たないから!
ツェントによって作られる各領地の礎、当初の神殿の役割、神殿長の聖典に関する知識、ツェントが国境門を回ることによるユルゲンシュミットへの魔力供給など、重要な知識も流れ込んでくる。
……え? 待って。流れていかないで。それ、マジ重要。ゲオルギーネ様がエーレンフェストの礎を奪う方法って……。
「考えるな。全て受け入れろ。零れ落ちるぞ」
流れ込んでくる知識について考えようした途端、エアヴェルミーンから叱責された。ものすごく緊急で大事なことを知ったはずなのに、それについて考えようとすると、脳内に流れてくる知識を受け入れることができないらしい。送り込まれてくる知識を吟味することは許されず、頭を空っぽにして受け入れるだけでなければならないようだ。
……何も考えずに受け入れるって意外と難しいよ。どうしても考えたくなるもん。
一度ゆっくりと自分の脳内を整理しなければ、これだけ大量の知識だけを流し込まれても実際には役に立てられない気がする。こうして授かった知識を形にした物がグルトリスハイトならば、その時の自分に必要な知識を検索できる機能は必須ではないだろうか。
……ん?
神話や神殿関係の知識の次に流れ込んできたのは、歴代ツェントにまつわる歴史だった。その途端、流れ込んでくる知識が穴あきになり始めた。ユルゲンシュミットの歴史が何故かボコボコと穴の開いた状態で流れ込んでくる。
一例をあげるならば、病に伏したツェントが一人の王子に自分の持っていたグルトリスハイトを継承させて国境門を開く仕事を頼んだ部分が見えたところで途切れて、次は別の王子が「グルトリスハイトが消えた」と愕然としているところが流れ込んでくるのだ。この二つの知識に関連があるのかないのか、時代が同じなのかどうかを判断するのも難しい。
何というか、電波状況が悪くて途切れ途切れの動画を見せられているとか、たくさんの映画を脈絡もなく繋げた物を見せられているという感じで、非常に気持ちが悪くてもどかしいのだ。
何より困るのが、この穴あきは歴史の流れだけで起こるのではない。後世のツェントが領地を富ませるために作りあげてきた儀式のやり方やその魔法陣が一部黒で塗りつぶされているような物もある。地下書庫の石板で見たことがある儀式や魔法陣の一部が欠けているのだ。
……うあぁぁ! 抗わずに全部見るから、見せるならハッキリ見せて! すごく気になるから!
けれど、わたしの必死の願いは叶わなかった。
降ってくる光が消え、頭の中に強制的に流し込まれていた知識の奔流が終わる。一気にたくさんの本を読んだ時のように、頭の中が新しい知識で飽和状態になっていた。知識酔いというか、何だか頭がふわふわしている。
「よく受け止めたな。少し休め」
「では、お言葉に甘えて休ませていただきます」
わたしはその場に寝転んだ。むしろ、頭の芯がぐらぐらする感じで座っていることも辛かったという方が正しいだろう。少し目を閉じる。寝転んでいても頭が揺れているような気がする。頭の中がぐちゃぐちゃで、どうにも考えがまとまらない。それでも、本来与えられるはずの知識全体から考えると、三割から四割くらいの知識が欠けていることが何となくわかった。
……わたしが受け止めきれなかったってこと?
わたしは全て受け止めるつもりだったけれど、実力が伴わなかったということだろうか。落胆しながらゆっくりと息を吐いた。
「どうしてメスティオノーラの知識にはツェントやアウブの情報が多くて、下級貴族や平民達の情報がほとんどないのでしょう? エアヴェルミーン様はご存知ですか?」
ぼーっとしながら浮かんだ問いを口にしたら、エアヴェルミーンから答えが返ってきた。
「シュタープを得た者の中で一定以上の魔力を持った者が魔石になった時に、メスティオノーラの英知に加わるからだ」
どうやらメスティオノーラの英知はツェントやアウブが亡くなった時に、その人の記憶を集めて更新されるものらしい。道理で昔の情報が多いのに政変以降の情報は極端に少なくて、平民達の情報がないわけである。
わたしはくらくらする頭を押さえながらのっそりと起き上がり、床に散らばっている髪飾りを手に取った。平民時代のように簪で軽く髪をまとめる。整髪料でがっちりと固めるのは難しいけれど、何もしないよりはマシだろう。
「……エアヴェルミーン様、わたくし、ここに本を読みに来たのです。それなのに、本も読めず、手に入ったのが穴だらけの知識だなんて残念すぎます」
ガッカリですよ、と不満を述べながら、わたしはお暇の準備をする。魔石や回復薬を下げている革の帯を手繰り寄せ、自分で切り裂いた靴下を革袋に詰め込んだ。こんな物をここに放置しておくわけにはいかない。
服の切れ端を片付けると、神殿長の衣装を一度脱いで肌着の上に魔石で簡易鎧を作った。ブリギッテはそれでブラジャーが必要なかったことを思い出したのだ。
……あ、イイ感じ。
その上から背中を大きく露出させる服を着る。脇から二の腕の辺りに切り込みを入れれば、何とか着られる。ハイウェストのワンピースっぽくなっているが、スカートの膨らみや神殿長の衣装の袖から少し見えるレースなどのためには必須なのである。
それから、神殿長の衣装を着直して、帯を丁寧に結び直した。少しは装飾している感じが出るだろう。
最後に、魔石を変形させて靴を作る。これで素足が露出することはない。鎧の靴のような物しか講義で作る練習をしていないけれど、裸足で歩くよりは良いし、儀式用の衣装は靴を隠すような長さなので安心だ。
「メスティオノーラの英知を手に入れて残念だと口にしたのは其方が初めてだが、其方は以前の記憶と合わせればほぼ全て手に入れているであろう? 以前の知識と合わせれば良い」
靴を作ろうと手に取った魔石がコロリと手から転げ落ちた。さぁっと血の気が引いていく。
……忘れてた! 人違い問題!
「わたくし、エアヴェルミーン様にお会いしたのは初めてですから、以前の知識などございません」
「……初めてではなかろう? あれはさすがに忘れられぬ」
忘れられないと言われても、わたしは初めてなのだ。当たり前の顔でそう言われて、わたしはもう一度人違いだと繰り返す。
「以前こちらにいらっしゃったのはどのような方だったのでしょう?」
「礼儀知らずの愚か者だ」
「それだけではよくわかりません。正規の道では来なかったとおっしゃいましたけれど、どのようにいらっしゃったのですか?」
わたしは身支度を整えるまでの世間話的な気分で尋ねた。魔石で靴を作りながら聞いていると、エアヴェルミーンは無礼な侵入者の話をしてくれる。
もう十年以上昔のことらしい。政変も後半の頃のことで、全ての祠を巡り、巨大な魔法陣を作り出し、エアヴェルミーンの元にたどり着きそうな人間がいたそうだ。
あの巨大な魔法陣は普段は大木の姿を取っているエアヴェルミーンが人の形を取り、神々と交信するために必要な物である。メスティオノーラの書を手に入れるには必須の魔法陣である。あの魔法陣が動かなければ、エアヴェルミーンと会うことはできない。シュタープを取得する時や加護の儀式の時に、わたしがエアヴェルミーンと会えなかったのは魔法陣が起動していなかったからだ。
図書館のメスティオノーラの像に魔力を注いで魔法陣を得て、金色シュミルに会ったその人は「資格はあるが、魔法陣が動いていない」と言われて追い返されたそうだ。ところが、その人間は最奥の間で神事を行って、魔力を魔法陣に満たすのではなく、上空から魔法陣に巨大な魔力を叩きこんだそうだ。
「そして、この空から飛び込んできたのだ」
エアヴェルミーンは直立の変わらぬ姿勢のまま上を見上げた。わたしも一緒に上を見上げる。神々と交信するための場所から降ってきた礼儀知らずの愚か者とわたしは間違われたらしい。
「わたくし、そのようなことはいたしませんよ。完全に人違いです」
……巨大魔法陣を動かすのにどうすればいいのか考えて、巨大魔石を落とそうと思ったことはあるけど、実行はしてないから。さすがに危険だって判断したから。
「確かに魔力が似ている者はいる」
生まれてすぐの赤子は母親とほぼ同じ魔力だし、熱愛真っ盛りの夫婦もかなり似ているらしい。けれど、成長すれば親子でも差が出てくる。母親は夫の影響が薄くなり、本来の自分の色に戻っていくことが多く、子供の魔力は生まれた時が基準になるからだ。兄弟でも差があるのは、妊娠や出産中の母親の魔力に子の魔力が大きな影響を受けるせいらしい。
そんなわけで、熱愛夫婦もいつまでも同じ色合いだとは限らない。お互いの魔力の影響はそれほど長く続かないからだ。
「魔力が似通っていても、授かっている最高神の御名が同じであることはあり得ぬ。これで別人とは……」
魔力が似ていて、尚且つ、得ている最高神の名前が両方同じということはない。だからこそ、エアヴェルミーンには別人だと認識できなかったようだ。
「何故、其方はシュタープを得られたのだ? ここまで魔力が似ていて、最高神の御名まで同じ者が得られることはないはずだ」
「え?……多分貴族院のカリキュラムが変更されていたせいではないでしょうか? わたくしがシュタープを得たのは一年生で、まだ最高神の御名をいただいていない時でしたから」
最高神の名前を得ていないから、魔力が似ている別人と認識されていたはずだ。つまり、わたしは最高神の名前を得た後にシュタープを取得するカリキュラムだった場合、どこぞの誰かと同一人物だと思われて、シュタープを得られなかった可能性がある。
……うわぁ、ヤバかった。
「其方はエーヴィリーベの印を持つ子か」
「……それは一体何でしょう?」
「先程授かった知識の中にあるはずだ。メスティオノーラの書を具現化してみよ」
自分でグルトリスハイトを出して確認しろ、と言われて、わたしは小さく唸った。あの雑多な知識から自分に必要な知識を得なければならないのだ。検索機能が付いたグルトリスハイトが欲しい。
わたしはシュタープを出し、軽く目を閉じる。そして、図書館のメスティオノーラ像が手にしていたメスティオノーラの書を頭に思い浮かべた。自分の欲しいメスティオノーラの書と同時に魔法陣がすっと脳裏に浮かぶ。
もう呪文は知っている。流し込まれた知識の中でたくさんのツェントが唱えていたからだ。
「グルトリスハイト」
シュタープがメスティオノーラの書の形を作る。メスティオノーラの像が持っていたグルトリスハイトよりかなり小さめだ。成長したわたしの片手で持てなくはない単行本サイズで、検索を重視したタブレット型である。
「魔力の四角がずいぶんと小さいが、それでメスティオノーラの書を読めるのか?」
「これ以上大きいと、読むのが大変なのです。えーと、エーヴィリーベの印を持つ子、でしたよね?」
指先で検索ワードを入れて、検索してみる。エーヴィリーベの印を持つ子というのは身食いの一部を指すらしい。平民の中に生まれた魔力持ちの中でも、死にかけても死なずに何度もエーヴィリーベの手から逃れ、生きているにもかかわらず死人が持つはずの魔力の塊ができている者のことだそうだ。
……ユレーヴェ漬けで塊は解かしたけど、確かにそうだったね。
身食いは薄い全属性で、生まれた土地の属性をわずかに帯びているらしい。土地の属性は国境門に刻まれている神の記号に左右されるようで、エーレンフェストでは風の属性が、クラッセンブルクは土、ダンケルフェルガーは火、アーレンスバッハは闇、ハウフレッツェは水、ギレッセンマイアーは光、中央は命の属性が強く出やすいそうだ。
ちなみに、メスティオノーラの書によると、ユルゲンシュミットは命の神の記号を中心に置き、命の神の力を封じるような形の魔法陣で形成されているらしい。
……エアヴェルミーン様、一体どれだけエーヴィリーベが嫌いなんだろう。
そんな感想はさておき、身食いは親の魔力の影響を受けていないため、薄い全属性である。神々に祈り、加護を得て、自分で魔力の色を作っていかなければならない。そして、ほとんど属性のないまま結婚すると、今度は伴侶の影響を受けることになる。自分の色がほとんどないのでお互いに影響し合うというより、相手の影響を受けるだけだ。けれど、相手に完全に染まってしまうわけではない。時間が経てば相手の魔力の影響は次第に薄れていく。
ただし、生きているにもかかわらず死人が持つはずの魔力の塊ができているエーヴィリーベの印を持つ子は別だ。体内に魔石を持っているようなものなので、それを完全に染められるとほぼ完全に染まってしまう。薄めようとしてもなかなか薄まらない状態になるそうだ。染めた相手よりやや薄めの魔力を持つことになるらしい。
……つまり、わたし、染められてる!? 完全にフェルディナンド様に染められてるよ! え? ってことは、さっきの無礼で常識知らずな愚か者ってフェルディナンド様!? 何やってたの!?
新しい知識がいっぱい過ぎて、頭の中が大変なことになっているが、それ以上に新しく発覚した事実に目が回りそうだ。
「思い当たることがあるか?」
エアヴェルミーンの言葉にわたしはコクリと頷いた。
「わたくし、エーヴィリーベの印を持つ子のようです。魔力で染められたこともあります。でも、やっぱり別人です。性別だって違うのですよ。一目でわかるでしょう?」
「魔力に性別はない」
……なんと!?
「で、でも、声とか口調とか……」
「其方は自分と別の生物の雌雄を声や鳴き方で判別できるのか? 我は発せられた音から其方の意識を読み取っているにすぎぬ」
犬や猫の声や鳴き方で雌雄を見分けるようなものだ、とエアヴェルミーンに言われ、不本意ながら納得してしまった。それは確かに難しい。
そして、意識を読み取る形でなければ、大昔と今の言葉が同じではないので意志の伝達や知識の授受はできないと言われ、翻訳機を間に置いて話をしているような感じだったらしいことに気付いた。男言葉と女言葉の細かい差は感じられず、わたしはエアヴェルミーンの外見から勝手にフェルディナンドっぽい口調で聞き取っていたことを知った。
「あの、エアヴェルミーン様。それで、エーヴィリーベの印を持つ子が成人前に染められた場合、何か影響や注意点はあるのですか?」
今回のような人違いで大変な目に遭うことが何度もあっては困る。
「そのような特異な事態は少ないので、何とも言えぬ。基本的には親に染められたのと大して変わらぬはずだ」
……はずってところが何とも頼りないんだけど。
「其方の魔力の基本がその者というだけだ。結婚して別の者の影響を受ければ、自ずと魔力は変化する。それで、其方を染めたのはクインタで間違いないのか?」
エアヴェルミーンの言葉にわたしは首を横に振った。クインタという人は知らない。
「わたくしを染めたのはフェルディナンド様ですよ」
「よくわからぬ。ここへ来て、我に触れよ。其方の記憶を見る」
エアヴェルミーンに言われて、わたしは立ち上がって歩こうとした。その途端、ぼてっと転んだ。体の感覚がおかしい。これはちょっとここで練習してから帰らなければ、大変なことになりそうだ。
「何をしている?」
「突然大きくなったので、感覚が合わないのです」
「そうか。早くしなさい」
……いやいや、聞いてよ! こっちの都合も聞かずに大きくしたのは誰?
ふらふらしながらわたしはエアヴェルミーンの前に立った。最初にここに来た時とかなり視線の高さが違う。どこに触れれば良いのか少し悩んで手に触れる。
「なるほど。其方はクインタの魔力に染められていたのか」
「クインタとはフェルディナンド様のことなのですか?」
「其方の本来の名がマインであるのと同じだ」
さらりと言われたことで、わたしはエアヴェルミーンが本当に記憶を見れることに感心していると、「……好都合ではある」と言ったエアヴェルミーンが離れるように言った。
「何が好都合なのですか?」
「自ら知識を求めようとはせず、とんでもない手段でここに到達し、メスティオノーラの英知の受け入れに抗った者と、其方は今メスティオノーラの書を分け合っている状態だ」
穴の開いている部分はフェルディナンドが持っている、とエアヴェルミーンは言った。
「あれと同じ魔力を持ち、正規の道からやってきた其方の方がメスティオノーラの書を持つに相応しい」
そう言いながらエアヴェルミーンがゆっくりと白の大木に戻り始めた。代わりに、そこから帰れと言わんばかりに始まりの庭の一部に出入り口ができる。
「……どういう意味ですか?」
「全ての英知を望む者よ。あの愚か者を殺し、あれの魔石から全ての知識を得るが良い。そうすれば、其方は完全無欠の知識を持つツェントとなれよう」
「ちょっと待ってください! そんなこと、わたくしは望んでいなくて……」
どんどんと大木に戻っていくエアヴェルミーンに言ったけれど、エアヴェルミーンは白い大木に戻ってしまい、何も言ってくれなくなった。
上から光の差し込む始まりの庭に一人だけで佇み、わたしはじっと白い大木を見つめる。
「お断りですよ」
エアヴェルミーンが聞いていてもいなくても構わない。わたしも言い逃げしてやるのだ。
「わたくしはフェルディナンド様を救うための知識がほしいのであって、フェルディナンド様を殺して得る知識に価値を感じることなどできません。この世にある全ての本を読みたいとは心の底から思いますけれど、決して知識だけが欲しいわけではないのです」
……グルトリスハイトだけなら他にも入手方法はあるからね。
わたしは少しだけ歩く練習をして、忘れ物がないかをよく確認してから、始まりの庭を後にした。