Will I End Up As a Hero or a Demon King RAW novel - Chapter (94)
93話 現状のステータス
本日2話目
「雨だな~」
「雨だね~」
今日は教会あたりにでも挨拶に行こうか。
それともメイちゃん家に寄って丸薬の補充が可能か確認しつつ、ジンク君達の狩り予定日を確認しようか。
そんなことを考えていたのに、本日は生憎の雨。
しかも結構なザーザー降りである。
「ロキ君は今日どうするの?」
そう聞いてくるフェリンは朝から俺の部屋に【分体】を降ろしていた。
俺も町にいるわけだし、狩りで忙しい時じゃないならいいかと、特に気にしないようにしている。
「ん~狩りなら気にせず動くんだけどね。でもそうじゃないなら濡れるのは嫌なんだよなぁ……傘無いし」
自分で言っておいてハッとする。
そういえば傘の存在もヤーゴフさんに伝えた方が良いなと、ソッと手帳に書き記す。
この世界の文明がどんどん発展すれば俺はそれだけ過ごしやすくなるんだ。
開発に携わるくらいなら狩りをするが、アイデアを出すだけならいくらでもしてあげたい。
上手くいけば俺にインセンティブも入るみたいだしね。
「そっか~じゃあ食べ歩きは無しだね」
「どこかで整理しなきゃと思っていたし、今日は部屋でのんびりするよ。食事も宿屋で済ますつもりだけど、フェリンもここの1階でご飯食べる? 昼でも言えば食事用意してくれると思うからさ」
「うんそうする!」
「オッケ~それじゃ女将さんに二人分お願いって言っておくよ。フェリンは今日どうするの?」
「私はパルメラの中に行ってくるよ! ロキ君が飛んできた場所って、ここから6日か7日くらい奥の場所でしょ?」
「出口が分かっていて一直線に向かったわけじゃないからなぁ。たぶん直線なら4日とかそのくらい? ほんと、たぶんだけど」
「なら昨日まで行ったところに【分体】降ろして、今日はもっと奥に行ってみよっかな! そしたら私足速いし、今日中にはそのくらい奥に着くと思うんだよね!」
「そっか。でも途中からとなると、靴無しになるんだよねぇ……」
それがなんとも可哀想だ。
森の中を素足で、しかもこの雨となれば泥だらけになることは間違いない。
「そこはしょうがないよね! 昨日も履いて帰ってこられないと思って裸足だったし、どうせ【分体】を引っ込めれば綺麗になるんだから気にしない気にしない!」
「ははっ、本当に便利なスキルだよね。でも気を付けてよ? 今日は【神託】無しで、そのままこの部屋に出てきちゃっていいから」
「りょうかーい! それじゃ行ってくるねー!」
そう言って霧に変化しながら消えていくフェリンを見届けたら、1階で所用を済ませ、俺はボールペン片手にステータス画面を開いた。
名前:ロキ(間宮 悠人) <営業マン>
レベル:17 スキルポイント残:128
魔力量:140/140(+28) 剣の魔力上昇でさらに+50
筋力: 68(+55)
知力: 64(+11)
防御力: 62(+115)
魔法防御力:62(+18)
敏捷: 67(+66)
技術: 61(+16)
幸運: 67(+20)
加護:無し
称号:無し
取得スキル
◆戦闘・戦術系統スキル
【剣術】Lv3 【棒術】Lv5 【短剣術】Lv2 【挑発】Lv2 【狂乱】Lv2
◆魔法系統スキル
【火魔法】Lv2 【土魔法】Lv3 【風魔法】Lv4 【魔力操作】Lv1
◆ジョブ系統スキル
【採取】Lv1 【解体】Lv2 【狩猟】Lv3 【料理】Lv1 【話術】Lv1
◆生活系統スキル
【異言語理解】Lv3 【気配察知】Lv3 【探査】Lv1 【算術】Lv1 【暗記】Lv1
【視野拡大】Lv2 【遠視】Lv2 【俊足】Lv2 【夜目】Lv4
◆純パッシブ系統スキル
【毒耐性】Lv7 【魔力自動回復量増加】Lv2 【魔力最大量増加】Lv2 【剛力】Lv1
【疾風】Lv1 【鋼の心】Lv1 【物理攻撃耐性】Lv1
◆その他/特殊
【神託】Lv1 【神通】Lv2
◆その他/魔物
【突進】Lv6 【粘糸】Lv4 【噛みつき】Lv5
(うわ~ボーナスステータスとか、もう色々と分からんし……)
明らかに失敗だ。
せめて手帳とボールペンくらいはルルブの森に持ち込んでおけば良かった。
半月近くも引き籠ったおかげで、色々なスキルを追加取得し、ステータスも上がっているのは良いんだが……
各スキルが何のボーナス能力に対応しているのか。
それがよく分からなくなってきていた。
手帳を捲れば、最後にあるステータスの記録は、ルルブの森に行く前に残したレベル11の時のもの。
そこから追加の取得スキルやスキルレベルの上昇が絡むのだから、もう何が何やらである。
おまけに何かのスキルが数値を狂わしているのか、単純なレベル上昇値にもズレが生じてしまっていた。
(どう考えても1レベルが各種3の上昇になっていない。そいつは分かるが――何が原因だ?)
そう思いながら電卓を叩いて計算していく。
自然と机の上で手がカサカサと。
気付けばタバコを探していることに気付き、おっと! と思って手を引っ込める。
こんな時、地球ならタバコを吸う癖があったが、今はもう電池切れで吸えないし、吸ったところでこの身体じゃクソ不味いだけ。
代わりに濃いめの果実水で口の寂しさを紛らわしつつ、とりあえずは新しく取得したスキルの詳細を確認していく。
【話術】Lv1 対話能力が僅かに向上する 常時発動型 魔力消費0
ふむ。コミュ障の俺には地味に有難いかもしれないが、必須でもない。
次。
【料理】Lv1 料理技能が僅かに向上する 常時発動型 魔力消費0
これもあったらあったで嬉しいが、今は正直どうでもいい。
次。
【剛力】Lv1 筋力値が5上昇する 常時発動型 魔力消費0
犯人はコイツか?
この上昇値5がボーナスステータスの方ではなく、メインの方に振られているっぽい気がする。
とりあえずあれば嬉しい。大歓迎なスキル。
次。
【物理攻撃耐性】Lv1 物理攻撃への耐性が増加する 常時発動型 魔力消費0
あれば嬉しいんだが、【毒耐性】と同じで具体的な上昇数値記載がない。
これは耐性系統の決まり事なのかもしれない。
次。
【鋼の心】Lv1 精神攻撃に対する抵抗が僅かに増加する 威圧にも有効 常時発動型 魔力消費0
ほほぉ……なんか面白いスキル。
これもあると地味に嬉しいタイプだな。おまけに常時発動で魔力いらずだし。
次。
【魔力操作】Lv1 魔力操作が向上し魔法への応用が利きやすくなる また魔法発動時間が5%減少する 常時発動型 魔力消費0
抽象的な説明だけど、あると地味に恩恵のありそうなスキルっぽい。
後半の魔法発動時間というのが再発動までのディレイを指すのか、それとも詠唱から発動までのラグを指すのか。
どちらにせよ5%では体感できないと思うので、もう少しレベルが上がってから要検証。
次。
【疾風】Lv1 敏捷が5上昇する 常時発動型 魔力消費0
さっき確認した【剛力】と同種、内容からしてもそれの敏捷バージョンだろう。
このスキルも大歓迎。
だが、上昇値がちょっと微妙でスキルレベル振ってまでという感じでもないか。
となると――……
電卓を叩いては数値を書き出し、比較していく。
(んー? レベル11から各能力値の上昇が4に切り替わっていれば数値が合うかな……魔力も8上昇っぽいか)
そこで判明したのは上昇値の変化。
レベル1~10までは各種能力値は1レベル上昇で各種3上昇、魔力量だけは6上昇していた。
それが11~17現在までは各種能力値が1レベル上昇で各種4上昇、魔力量だけが8上昇となっている。
となると、レベル20、レベル30と大台を超えた時、さらに上げ幅が上昇する可能性も見えてくる。
(つっても、強い人の具体的なステータス値が分からないとなんとも言えないんだよねぇ……)
自分の能力値が相対的に見てどの程度なのか。
これが分からないと今俺は強いのか弱いのか、どこまで能力値を引き上げれば強いと言えるのかの判断もできないが、もしかしたら追々分かる時が来るかもしれないのだ。
その時のためにこの手の作業は重要だと思っている。
……散々狩りに没頭してサボった俺が言うことではないが。
まぁとりあえずここら辺がルルブで未確認だった新規取得スキルだ。
あとはルルブで魔物が所持していたスキルは予想通り大きくレベルが上昇しており、その他自然上昇で上がったスキルがいくつかってところだな!
そして対象ボーナスはもう調べようがない。
今度レベルが上がった時にチェックするしかないと諦めることにする。
あとはついでにロッカー平原で取得していたけど、まだ詳細を見たことの無かったスキルもこの際全部確認してしまうとするか。
【剣術】Lv3 剣形状の武器を所持している限り、攻撃動作、防御動作にプラス補正が入る(魔力消費0) 任意で1秒間、特定所作に能力値190%の限定強化を行う 魔力消費9
【短剣術】Lv2 短剣形状の武器を所持している限り、攻撃動作、防御動作にプラス補正が入る(魔力消費0) 任意で1秒間、特定所作に能力値160%の限定強化を行う 魔力消費7
ふむふむ。
【棒術】のレベルが1の時は特定所作に能力値130%、それで魔力消費が5となっていたので、武器種問わず中身は共通。
そして上昇値は1レベル30%上昇、魔力消費は2上昇ってとこだな。
ただ――
【棒術】Lv5 棒形状の武器を所持している限り、攻撃動作、防御動作にプラス補正が入る(魔力消費0) 任意で2秒間、特定所作に能力値250%の限定強化を行う 魔力消費13
使う予定の無い【棒術】のレベル5を見てみれば、上昇数値と魔力消費の上がり方は均等のままだが、任意の秒数が2秒間に変化している。
つまりレベルが4か5のどちらかで秒数が上昇するということになるわけか。
まぁ【剣術】持っていても、結局任意のスキル攻撃は一度も使わなかったしなぁ……
魔法が使えると魔力はそちらに使おうとしてしまうので、群がる敵に対しては使う予定無し。
強い魔物とのタイマン勝負とかになった時、初めて活かせるのかもしれないな。
そして魔力絡みのやつはというと――
【魔力自動回復量増加】Lv2 魔力自動回復量を10%上昇させる 常時発動型 魔力消費0
【魔力最大量増加】Lv2 魔力最大量を20増加させる 常時発動型 魔力消費0
うーん、ほんとサボってた!
ロッカー平原でもろくに詳細を見ていなかったツケが、ここに全部回ってきてしまっている。
【魔力自動回復量増加】はレベル2で10%。
ということはレベル1なら何%だったんだ?
……まぁいいか。
そこはレベル3になれば上昇幅が分かるから良いとして、重要なのは定量じゃなく
割
合
ってところか。
強くなればなるほど定量なんてゴミスキルになるものだが、割合なら最終が20%だろうが30%だろうが、相当大きな恩恵になることは間違い無さそうだ。
おまけに【付与】でさらに重ねられるわけだし。
逆に【魔力最大量増加】は定量だから、後半は死にスキルになりやすいということが分かる。
ということは、今作ってもらっている新調武器に【付与】を付けるなら、長く使うことを想定して【魔力自動回復量増加】にしておいた方が良さそうということだな。
ついでに驚きの発見として、この数値を見る限りパイサーさんの【魔力最大量増加】が、推定スキルレベル5ということも予想できる。
現役を退いたとはいえ元Cランクハンター。
さすがである。
あとはおまけ要素の強いスキルばかり。
【俊足】Lv2 走る動作に補正がかかり、移動が僅かに早くなる 常時発動型 魔力消費0
まぁ、無いよりはあった方が良い程度。
【視野拡大】Lv2 上下左右の視野が僅かに広がる 常時発動型 魔力消費0
なんだか虫みたい。スケベスキルかと思ったけど、レベル2でもいまいち差が感じられないので、真後ろを見るとかはいくらスキルレベルが上がっても無理そう。
というか、そんな視点が常時発動されたら頭がおかしくなる。
【遠視】Lv2 僅かに遠くを見通せるようになる 常時発動型 魔力消費0
視力向上スキルと考えるなら結構嬉しいかも。眼鏡いらず?
【挑発】Lv2 注意を自分に向けやすくする 発動範囲20メートル以内 対象を中心とした半径2メートル以内の生物に発動 魔力消費7
以前ルルブで使用した際には魔物が一気にこちらへ来て驚いたが、詳細を見れば納得の範囲スキルでござった。
格上の狩場で間違って使おうものなら死亡フラグが立つスキル。
逆に格下の狩場であれば、誰かを救出したい時には便利なスキルなのかもしれない。
あとは生物が対象というのも面白いところだな。
つまり人にも効く……釣りたくはないが。
ふぅ――……
とりあえず現状所持しているスキルは概ね把握した。
分からない部分は今後小まめに情報収集しながら比較検証するとして、これで<
N
e
w
>についても分かったな。
<New>は俺が該当スキルの取得、もしくはスキルレベルの上昇をステータス画面で確認するまでは続く。
ここに日にちや時間の期限は無さそうで、ステータス画面を開くだけであれば、<New>は消えないものと思って良さそうだ。
スキル画面を最後に確認したのはたしか……ルルブで風呂イベントがあった時。
そこから追加で1週間ほど狩りをし、町に戻ってからも数日は経っている。
にも拘わらず、ルルブで取得可能なスキルは先ほどまで<New>が付いていた。
そしてその間、俺はレベルがあとどれくらいで上がるか確認するため、何度もステータス画面を開いている。
ただスキル画面までは見ていなかったわけだから、<New>の仕様はたぶんこれで確定だろう。
1日の狩りの終わりに、<New>の付いたスキルがないか探す楽しみも増えたということ。
ならばどんぐりには素直に感謝しておこう。
(地味に便利ですありがとう。だから所持金額表示、もしくはスキルの分類を『アクティブ』『セミアクティブ』『パッシブ』なんかに分けてもらえると有難いです。取得済スキルを『戦闘系』『魔法系』『ジョブ系』なんかの分類で、見やすいように分けてくれちゃっても良いですね。宜しくどうぞ。宜しくどうぞ)
なんとなくどんよりした雨雲に向かって拝んでいると、丁度フェリンが帰ってきたのか、濃い魔力の気配を感じる。
ちょっと早い気もするが、お昼を食べたら今度は貯まった128のスキルポイントを
何
に
振
る
か
の妄想だな。
今日は時間もあるんだ。
のんびりじっくり、スキル画面を見ながら考えようじゃないか。
顔は自然とニマニマしてくる。
こんな時が楽しいんだ。
そう思いながら姿を現すフェリンに声を掛けた。
「お帰り! もうお腹空いた?」
どんぐりにお願いした『戦闘系』『魔法系』『ジョブ系』なんかの分類に分けるお願いは、見やすいようにということで皆さんには特別実装しちゃっております。
主人公はこのように見えておりませんのでご注意を。